ねのかみノート

色鉛筆大好きな管理人のお絵描き創作ブログです。

【メイキング】色鉛筆でPC塗りを再現しようとした制作過程

こんにちは、瑞木です!

今回はあらかじめPCで作成したイラストの色合いを、色鉛筆を使って再現しようと試みていきます。 

ちなみに完成したものがこちら。 

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今回の制作で意識したのは以下の点です。

  • 使い慣れたアーチストを使う
  • 無理せずいつものハガキサイズ
  • 先にPCで塗りイメージを描いておく

 

ここからは、上記を踏まえての制作過程を描いていきます。

塗り見本+線画作成

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まずはClip Studio Paintを起動して、ざくざく描きながら完成図をイメージします。

前回は色作りで迷ったので、細かい部分は気にしないでどんな色合いにするのかを意識しながら描きました。

そのイメージを元に形を整えながら線画を作ります。

(後で気付いたのですが、耳の線を描き忘れています)

 

印刷

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線画は色がギリギリ見えるくらいの薄さでケント紙に印刷して、見本はケント紙がもったいないのでポスター紙に印刷しました。どちらもハガキサイズです。

ここからの画像は写真になるので、ちょっと暗くて見にくいかもしれませんが、ご了承ください。

 

髪の下塗り

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まずは塗る面積の広い髪から。

普段はだいたい固有色→陰影→ハイライトの順に塗るのですが、今回はそれだと色がうまく乗らなそうなので、ハイライトから逆の順番で塗っていきます。

これは初めての試みです。

 

見本を作るとき、固有色の上に発光レイヤーを作って「右上から黄色」「上からピンク」「下から水色」を乗せたので、まずはそれから塗りました。

黄色と水色の境目には黄緑も使っています。

使用したのは147(黄色)・022(ピンク)・323(水色)・272(くすんだ明るい黄緑)です。

 

肌の下塗り

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次は肌の下塗り。こちらはやり慣れた塗り方でやっていきます。

まずは全体的にうっすらと肌色を塗ります。肉眼では塗ったかどうか分からないくらいの薄さですが、こうすることにより表面がなんとなく滑らかになって、後で塗る陰色が塗りやすくなる感じがします。

それから陰になる部分に茶系・紫・朱・ピンクなどを塗ります。こちらも表面を軽く撫でるくらいの筆圧で少しずつ。

ちなみにホルベインの122(肌色)・057(明るい茶色)・024(ピンク)・044(朱)・441(紫)と500(白)は、私が肌を塗るときの使いやすい鉄板カラーです。

 

肌塗り その2

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前工程で塗った陰色を馴染ませるように肌色をしっかりと塗っていきます。明るくしたい部分は白色を使います。

濃さが足りないときは陰色を足して、また肌色で馴染ませます。

固有色やハイライトなどで色を馴染ませることで、見た目が滑らかで綺麗になります。

 

服を塗る

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Tシャツの皺の部分に365(暗めの青)をうっすらと塗ってから、532(明るい寒色系グレー)で馴染ませます。

濃くなりすぎた場合は消しゴムで色を抜いてからグレーで馴染ませて微調整します。

 

髪 その2

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髪の暗い部分に510(黒)と288(暗い緑)を薄く重ねました。

見本の色をよく見て、自分が見えた色を慎重に少しずつ作っていきます。この部分は完全な黒ではなく、少し緑掛かった濃い墨色みたいに見えました。

 

塗り込み その1

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だんだん色濃くなるように塗り込んでいきます。

今まで使った色のほかに、180(焦げ茶)・449(赤紫)も使っています。

主に髪を塗り込んでいますが、ずっと白目も寂しいので瞳も塗りはじめました。

鼻や口元の線も茶色でなぞっています。

 

塗り込み その2

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これまでに使ってきた色を使って、更に塗り込んでいきます。

暗い部分はより暗くして、髪の上部に赤みが足りないので044(朱)・449(赤紫)と、新たに042(赤)を重ねました。

右側の黄色い光が当たっている部分も142(黄み寄りのオレンジ)を塗っています。

これまではうっすらと少しずつ色を調整してきましたが、ここではくっきりと色が出るようにしています。

見た目はわりと鮮やかですが、髪の明度を落とすために黒を多用しています。

 

髪の黒に近い茶色・暗い水色は手持ちの色に無いので、持っている近い色で塗ってから黒でトーンを落としました。

また、見本では省いている肩にかかる髪も描き足しています。

 

だんだん見本と似てきました。

ここまでくると、線が整っている色鉛筆側の方が綺麗に見えます。

 

仕上げ

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あとは見本と見比べながら微調整です。

首元の陰、向かって左側の髪、肩にかかる髪、手の輪郭と陰影、Tシャツの皺の色、顔のパーツの線、瞳など、全体的に描き込みました。

 

完成!

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スキャナで取り込んで、色合いの調整とゴミ取りをしました。

これで完成です!!

 

制作過程は以上です。いかがだったでしょうか。

元絵と並べて見比べると、完全再現とまではいきませんが、だいたいそれっぽく同じ感じにできたんじゃないかなと思います。

前回の反省点である塗りもしっかりできて、満足いく仕上がりになりました。

 

背景無い!人物アップ!いつもの画材!と無理せず背伸びせず、低めのハードルでの制作でしたが、とても楽しむことができました。

ちゃんと測っていませんが、昨日から制作をはじめて、見本作りで塗りが二度手間だったのもあり、二日間で18時間くらい掛かっています。

一日目はほぼ見本と線画作りで終わってしまい、彩色は下塗りまで。アナログのほとんどの工程は今日やりました。

 

隣に完成予想図を置いて作業できるのは意外にも結構な効果があって、なかなか塗りが進まなくても「いつかこんな感じになるはず!」と希望を持ち、完成を楽しみにしながら作業していくことができました。

配色を考える作業は先に終わっているので、あとは色作りをすれば良いだけ。もう塗り絵のような感覚です。

「色鉛筆で塗る」ということを、余計な思考に邪魔されずに楽しむことができました。

 

さすがに毎回見本を作っていると時間がかかりすぎますし、もうCGで良いじゃないかと開き直ってしまいそうですが、とにかく色塗りを楽しみたいときに活用したいと思います。

 

また、髪の色をハイライト→陰影→固有色の順番で塗りましたが、「クリスタで仕上げに発光レイヤーを作るときに乗せる色から塗れば良いんだ!」と自分のCG塗りのやり方とリンクさせられて、アナログ塗りに輸入できたのも良い収穫でした。

今までと違うことを試みたことで、塗り方の幅が広がったみたいに感じられて嬉しいです!

 

今回使った色鉛筆はちょっと多めの19色。

アーチストはかれこれ十年くらい私がメインに使っている色鉛筆で、36色セットに自分好みで選んだ色を足して使いやすい色を揃えているため、直感的に色作りをすることができました。

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今後はあえて色数少なめの絵に挑戦してみるのも良いですね。三原色塗りとか。

あと、ペリシアも使い込んでいきたいです。

 

では、長くなりましたが読んでいただきありがとうございました!

  

 

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